世界遺産、流氷の来る海で漁業の現場を体験する
流氷の海の漁業見学体験プログラム/羅臼
大迫力の刺し網漁




大迫力の刺し網漁

スケソウダラの刺し網漁
刺し網をドラムで巻き上げる
漁師さんによる漁のしくみの解説
流氷のうえで羽を休めているオジロワシ

 見学するのは、スケソウダラの刺し網漁です。刺し網量とは、網を海中にカーテンのように沈め、そこに刺さった魚を捕らえるというものです。
通常、網は1日置いて、翌日に引き上げます。船のデッキには5人の漁師がいて、ドラムで巻き上げた網を、一人がさばき、後ろの一人が網からはずし、さらにその後ろで3人が網を引き、きれいに船尾におさめます。一本の刺し網を巻くのにかかる時間は2時間ほどで、漁師たちは寒風の中、ひたすら網をたぐりよせます。
参加者は遊漁船に乗って、こうしたスケソウ漁の漁船に近づき、ガイドに漁のしくみを聞きながら、すぐ近くで見学します。2006年には、道内外から90人以上の人が、スケソウ漁を見学に訪れました。
石田さんは当初、「漁師の仕事を見てもらうだけで本当に料金がいただけるのか」と不安だったそうですが、参加者から「わっ!」と歓声が上がり、「言葉を交わすと口々に『感動しました』といってくれるのでのほっとした」といいます。
「タイミングさえあえば、流氷やオオワシ、オジロワシなど野生動物の観察も楽しめます。流氷のうえでワシが羽を休めている様子などは、都会の人にはぜひ見て欲しい光景です」
参加者にはダイ鍋も用意されました。ダイ鍋とは漁師ならではスケソウ料理です。漁師はソケソウをバンバンとブツ切りして樽の中に放り込みます。それをホースの海水でじゃぶじゃぶと洗います。そして海水で洗ったソケソウを煮込み、ミソを溶かします。
「簡単にいうと、スケソウのミソ汁です。しかし、これがうまいんです。陸で同じように調理しても、味が違ってしまうんです。陸では決して出せない味が、沖では出せるんです」






※写真は、2006年におこなわれた漁業体験の模様です。