第3回(平成17年度)オーライ!ニッポン大賞
全体の講評


オーライ!ニッポン大賞


■全体の講評■

 本表彰事業は、今年度で第3回目となりました。今年も北海道から沖縄まで全国各地から143件(オーライ!ニッポン大賞122件、ライフスタイル賞21件)の応募がありました。
 全体としては、都市住民の受入活動などにおいて、長年の実績や豊かな発想力を持って積極的に展開している農山漁村側からの応募に加え、都市と農山漁村の共生・対流を都市側から農山漁村側へ積極的に働きかける活動や環境保全を目的とした活動が地域の活性化に繋がっている事例、また橋渡し的役割を担うNPOや関係機関からの応募も見られ、都市と農山漁村の共生・対流の取組みの輪が着実に広がり、各地域で活発に推進されているという手ごたえを感じました。

 審査委員会における審査基準(*)は7項目で、これをもとに各委員が熱心に議論を行い、特に「都市と農山漁村との行き来が活発であること」「活動の内容が幅広く、地域内外に刺激や影響を与えていること」、「都市と農山漁村が互いに元気になるような取組みであること」「活動の内容が他地域のモデルになるような取組みであること」「長年にわたり活動が継続していること」などという点を重視して各賞を選定しました。

 全体としてどの取組みも優れたものであり、オーライ!ニッポン大賞6件、審査委員会長賞を6件選定する際には、各委員からの活発な意見が交わされ、受賞地区を絞り込むことは大変な作業でした。結果的には、受入れ側(農村側)の取組みである名川町(現 南部町)が、近隣町村と連携をしながら広域的に受入体制整備を行い地域の活性化が図られている点と、日本のグリーン・ツーリズムの先駆け的存在として高く評価され、今年度のグランプリに選ばれました。

 この他、惜しくもグランプリには届かなかったまでも、「地域HACCP(ハサップ)」の取組みを活かし、オリジナル性高い体験メニューを開発・提供している「標津町エコ・ツーリズム交流推進協議会(北海道標津町)」、緑のふるさと協力隊の派遣事業を通じて、地域の活性化に貢献している「特定非営利活動法人 地球緑化センター(東京都中央区)」、また地域の当たり前にあった物の見方を変えて発想豊かに活動する「特定非営利活動法人 NPO砂浜美術館(高知県大方町)」など、いずれも他の参考となる優れた取組みを展開しており、高い評価を得ました。受賞団体の取組みは、今後の都市と農山漁村の共生・対流促進のモデルとなるととともに、今後一層の発展が期待されます。

(*)オーライ!ニッポン大賞 審査基準 
ア 農山漁村地域を舞台とした新たなライフスタイルの提案、普及に関する取り組みであること。
イ 地域の個性を生かした取り組みであること。
ウ 農山漁村地域を活性化する効果があること。
エ 都市側、農山漁村側双方の住民の参加を促進する取り組みであること。
オ 長期的な取り組みの実績があること
カ 効果が持続して発現すると見込まれること。
キ 他の地域における応用性に富んでいること。


ライフスタイル大賞


■全体の講評■

 ライフスタイル賞は、Iターン等により農山漁村において個性的で魅力的な新しいライフスタイルを実践している方について、広くその生き方を紹介し、これから農山漁村に住んでみたい、行ってみたいと思う方への参考としてもらうことを目的としています。
 審査委員会では、4つの審査基準(*)をもとに、各委員の視点から様々な角度で審査を行いました。特に「地域に密着して活動していること」「新しい発想と行動力で地域に刺激を与え波及効果を生んでいること」「外に向かってのアピール力があること」「自身の明確な目標やこだわりを持って取り組んでいること」「その方が楽しく生活をしていること」などという点に着目し、ライフスタイル賞を選定しました。

 受賞者の選定については、それぞれが信念を持って独自性のあるライフスタイルを確立しており、選定作業は大変苦労しましたが、5件の方々は、地域への密着度と貢献度についての評価が高く今年度のライフスタイル賞に選ばれました。

 このような方々の生き方や取組みを参考として、今後、各地域において新たなライフスタイルが生まれ、そして一層普及することにより、都市と農山漁村の共生・対流が推進することを期待するものです。

(*)ライフスタイル賞 審査基準
ア 農山漁村を舞台とした新たなライフスタイルを実践していること。
イ 個性的で魅力のある活動であること。
ウ 新たなライフスタイルの実践に継続性があること。
エ 新たなライフスタイルが他の人の参考となるものであること。