第10回オーライ!ニッポン大賞

2010.12.28

平成24年度に実施しました、第10回オーライ!ニッポン大賞の結果についてご報告致します。

第10回オーライ!ニッポン大賞の結果について


 「オーライ!ニッポン」とは、都市と農山漁村の間の“人・もの・情報”の往来(おうらい)を盛んにすることで、日本全国が元気(All right)になることをめざす国民運動「都市と農山漁村の共生・対流」のキャンペーンネームです。
 オーライ!ニッポン会議と農林水産省では、共生・対流に関する優れた取組を表彰する「オーライ!ニッポン大賞」を実施しています。第10回を迎えた今年度は、全国から112件の応募を頂くことができました。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
 内容的にも新規性が高くオリジナリティ豊かなものとなっており、この10年間で都市と農山漁村の共生・対流の取組が着実に全国へ拡がり、内容も深化していることを実感いたしました。
 ここ数年の応募の特徴として、①集落や地域に立脚した住民による自発的な取組、②学生や若者が時代のニーズをキャッチして新しい交流や地域の形を作り出している取組、③企業や団体が社会貢献(CSR)として農山漁村と交流し、ひいては協働で新たなビジネスの創出を目指す取組、等の応募が顕著でしたが、今年度も同様の傾向が見られました。さらには、地域・企業・大学等の関係機関が連携した取組が着実に増え、連携組織の体制も実体として確立・定着しつつあると感じました。また、子どもを対象とした事業も定着したばかりではなく、シニア層の活動も広がりを見せてきました。
 今年度の受賞者の皆様は次のとおりです。

オーライ!ニッポン大賞グランプリ(内閣総理大臣賞)
震災復興・地域支援サークル ReRoots(宮城県仙台市)
オーライ!ニッポン大賞
千葉市教育委員会(千葉県千葉市)
NPO法人戸田塩の会(静岡県沼津市)
(株)巡の環(島根県海士町)
オーライ!ニッポン大賞 審査委員会長賞
NPO法人シニア人財倶楽部(福島県いわき市)
ふくしまキッズ実行委員会(福島県鮫川村)
NPO法人銀座ミツバチプロジェクト(東京都中央区)
摂南大学ボランティア・スタッフズ(大阪府寝屋川市)
NPO法人土佐の森・救援隊(高知県日高村)
オーライ!ニッポン ライフスタイル賞
海藤節生さん(宮城県七ヶ宿町)
手嶋眞二さん(山口県下関市)


第10回オーライ!ニッポン大賞 表彰式


オーライ!ニッポン大賞グランプリ(内閣総理大臣賞)

震災復興・地域支援サークルReRoots(宮城県仙台市)

 県有数の農業地帯の仙台市若林区東部で、「復旧から復興へ、そして地域おこしへ」をコンセプトにボランティア活動を実施。同じ避難所へ避難した学生や住民たちを中心に設立され、スタッフの9割を大学生が担う。これまでに参加したボランティアは延べ15,000人(H24年9月現在)。畑に埋もれたガレキは農機を痛めるため手作業で除去し、作付支援、農機貸付、さらには市民農園やスタッフ自ら野菜づくりを行う農園の開設など、将来の地域おこしを視野に入れて活動中。

>>ReRootsの受賞内容の詳細(リンク)

>>ReRootsのホームページ(外部リンク)

>>若林区復興支援ショップ「りるまぁと」ブログ(外部リンク)



オーライ!ニッポン大賞

千葉市教育委員会(千葉県千葉市)

 市内の全小学校の6年生を対象に4~5日間の日程で「農山村留学」を実施。狙いは宿泊を伴う共同生活(ホームスティ)や、自然と農林漁業等の体験等を通じて子どもたちの「生きる力」を育むこと。過去12年間で、長野県だけで約1万人の児童が参加した。平成24年度は長野県17市町村20地区、千葉市2市で実施した。教育的効果を毎年度、数値によって考察・検証し、①他者受容感、②自律心、③自己有能感、④自己決定感、⑤感性等が向上すると分析している。

>>千葉市教育委員会の受賞内容の詳細(リンク)


NPO法人戸田塩の会(静岡県沼津市)

 美しい駿河湾の沖で汲み上げた海水を、間伐材などの薪だけで約15時間炊き続けて採る自然海塩「戸田塩」。住民たちが試行錯誤を繰り返しながら「日本一の戸田塩」と自負する製法を確立した。美しい海を守るため、海岸の定期清掃に加え、薪には間伐材を利用し、塩の販売収益の一部を森づくりに寄付するなど、豊かな森林づくりにも貢献。食と環境の大切さや地域の誇りを語り継ぐため、小中学校や一般観光客等の体験を積極的に受け入れている(23年度は8,186人)。

>>戸田塩の会の受賞内容の詳細(リンク)

>>NPO法人戸田塩の会のホームページ(外部リンク)


(株)巡の環(島根県海士町)

 隠岐諸島の海士町(中ノ島)に移住した当時まだ20代の若者3名が起業。収益事業の柱は、島の資源を活用した島外企業の社員研修「海士五感塾」で、企業側からは島民との交流を通じて課題解決のヒントが得られ、島民も交流を通じて元気が得られると好評。大学生などを対象としたインターンプログラムや、一般を対象にしたツアーも実施。研修後も参加者と関係を続けられるよう、東京や京都など全国各地で「AMAカフェ」を開催。高齢者の暮らしの智恵を聞き書きした冊子「あまのききがき」を4冊発刊、研修等に活用している。

>>巡の環の受賞内容の詳細(リンク)


>>(株)巡の環のホームページ(外部リンク)



オーライ!ニッポン大賞 審査委員会長賞

NPO法人シニア人財倶楽部(福島県いわき市)

 いわき市の都市部に住むシニア世代を中心に、会員が培ってきた経験や技能等を活かした地域貢献を目的に設立された。市内の中山間地域(三和町)の遊休農地を再生利用して法人自ら米・野菜等を生産している。三和町で生産した米・野菜等を、都市部の高齢者(いわゆる買い物難民。3か所)や、震災の被災者が暮らす仮設住宅(6か所)へ移動販売。各種交流イベントの実施により、20km~40km離れる都市部と三和町の交流を促進。風評払拭のため、各種イベントに積極的に参加し、いわき市の動画配信「見せます!いわき菜園」の制作にも協力している。

>>シニア人財倶楽部の受賞内容の詳細(リンク)

>>NPO法人シニア人財倶楽部のホームページ(外部リンク)


ふくしまキッズ実行委員会(福島県鮫川村)

 福島第一原発事故の影響で1日のほとんどを建物の中で過ごすことを強いられた福島の子どもたちに、せめて学校の長期休暇中だけでも放射線の不安から解放され、子どもらしい笑顔と元気を取り戻してもらいたいと、県外各地で野外体験を中心とした教育プログラムを展開している。受入地は北海道、神奈川県、愛媛県、長野県。岐阜県へと拡大した。2011年夏から2012年夏までの参加者数は1,870人に達した。2012年夏からは、福島県でも放射線量が比較的低い鮫川村で受入を開始した。

>>ふくしまキッズ実行委員会の受賞内容の詳細(リンク)

>>ふくしまキッズ実行委員会のホームページ(外部リンク)


NPO法人銀座ミツバチプロジェクト(東京都中央区)

 東京・銀座のビルの屋上でミツバチを飼育し、採取したハチミツを、銀座の多様な人材(パティシエ、バーテンダー、百貨店のバイヤー、ホテルの料理長等)が、それぞれの技で商品化し、各店で人気商品となっている。ミツバチは農薬に弱い「環境指標動物」であることから、環境に配慮した農業に取り組む地域を応援するため、農産物等の販売や伝統文化を紹介する「ファームエイド銀座」を定期的に開催している。これまでに交流した地域は10以上。各地のミツバチプロジェクトとも15か所以上と連携している。

>>銀座ミツバチプロジェクトの受賞内容の詳細(リンク)

>>NPO法人銀座ミツバチプロジェクトのホームページ(外部リンク)


摂南大学ボランティア・スタッフズ (大阪府寝屋川市)

 和歌山県すさみ町と包括連携協定を締結し、過疎化・高齢化が進む同町の地域づくりを支援。担い手不足で年々、継続が困難になる町のイベントに、学生がスタッフとして協力参加。町の山間部の廃校舎を拠点に、大阪とすさみ町の子どもたちが共同生活を通じて交流する自然活動体験学習プログラム「忍者キャンプ」が好評。町の山間部に220年以上伝わる伝統行事を学生たちが復活・継承。若い労働力の不足に悩む限界集落をサポートする「なんでもやろう隊」を結成。

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NPO法人土佐の森・救援隊(高知県日高村)

 森林ボランティアを林業の入口として位置づけ、山村住民や都市住民が参入しやすい自伐林業の普及を通じて山村の再生を進めている。活動の特徴は、①自伐林業に適した技術の確立と普及、②木質バイオマスの利用システムの構築による間伐材の販路確保、③地場産品等と交換できる森林証券「モリ券」による活動参加意欲の向上。「土佐の森方式」は、全国の関心を集め、東日本大震災の被災地を含め、現在約35地区で導入され、29地区が導入を検討している。

>>NPO法人土佐の森・救援隊の受賞内容の詳細(リンク)

>>NPO法人土佐の森・救援隊のホームページ(外部リンク)



オーライ!ニッポン ライフスタイル賞

海藤節生さん(宮城県七ヶ宿町)

 七ヶ宿町主催の交流事業への参加を契機に、町内で自然体験と環境保全の活動を開始。平成19年に町に活動拠点を移し、仙台から移住した。平成20年にNPO法人水守の郷・七ヶ宿を設立し、理事長に就任。同町にある七ヶ宿ダムは、仙台を含む7市10町の約183万人の水瓶。その水源を育む林業、山林、山村の暮らしの大切さを体験しながら学べる場として、子供から大人までの都市住民を対象とした「七ヶ宿・山がっこ」や、小・中・高等学校と連携した体験学習等を実施。被災地支援等にも精力的に携わる。

>>海藤節生さんの受賞内容の詳細(リンク)

>>NPO法人水守の郷・七ヶ宿のホームページ(外部リンク)


手嶋眞二さん(山口県下関市)

 還暦同窓会で帰省した際に故郷の美しさを再認識。実家の隣にログハウスを建築し、北九州市と往復する2地域居住を開始。第二の職場の退職を機に完全移住。隣接する荒廃した山林を英国庭園風に整備しオープンガーデンとして開放。これまでに2,000坪分が完成し、今年の来訪者は1,000名を超える勢い。ログハウスも、訪問者の憩いの場、住民の交流の場等として公開。花のまちづくり団体「きくがわ花守隊」の会長、「きくがわ竹林ボランティア」の会員等として地域にも貢献している。

>>手嶋眞二さんの受賞内容の詳細(リンク)



(参考)第10回オーライ!ニッポン大賞 募集要領等(受付終了)