世界遺産、流氷の来る海で漁業の現場を体験する
流氷の海の漁業見学体験プログラム/羅臼
時とともに季節とともに行き交う魚も変わる




時とともに季節とともに行き交う魚も変わる

羅臼港に停泊中の漁船
網の手入れをする漁師さん
冬の名物 ウニ丼
根室海峡

 一口に「魚の城下町」といっても、羅臼を代表する魚は時代とともに変わりました。1980年代には、スケソウダラの豊漁が続き、「スケソウ御殿」と言われる豪邸が海岸に建ち並んだこともありました。
90年代になって、ロシア漁船など外国船がトロール船による収奪漁業を始め、スケソウの水揚げが減ると、代わってイカがとれはじめました。2000年9月中旬から1日400トン前後の水揚げが続き、水揚げは前年対比で60倍を超えました。そしてイカのピークが過ぎると、今度はサケの漁獲量が日本一を記録しています。
魚は季節によっても変わります。
流氷が去った春の代表はウニです。最高級の羅臼コンブをエサにして育ったエゾバフンウニは、日本近海で捕れるウニのなかではもっとも美味とされます。
魚ではキンキが旬を迎えます。体は赤く、白身魚とは思えないほど脂がのっています。
夏はエビ、カニ、貝の季節です。とくに根室海峡では、シマエビよりも高級なボタンエビやブドウエビが主力となります。
秋の代表はサケです。最近話題を集めているのはケイジ(鮭児)です。ケイジはアムール川を母川とすると言われ、秋サケ数千匹に1匹の割合で水揚げされます。サケが一段落するとイカやホッケの出番です。
そして、冬。流氷が海を覆うとスケソウの季節になります。スケソウは、オホ-ツク海、ベーリング海などに広く分布する寒流系の魚です。羅臼で捕獲されるスケソウは、オホーツク海を広く回遊し、1月から3月にかけて、根室海峡で産卵します。根室海峡は、もっとも狭いところでは幅25キロに過ぎませんが、水深は深いところで1000メートル以上あり、この地形が、スケソウ漁に最高の条件となっているのです。