オーライ！ニッポンの旅　大賞受賞地域を訪ねて
第3回　青森県南部町
グリーン・ツーリズム

　修学旅行生の農業体験からスタートした農家ホームステイ。町内の一般の農家に泊まりながら、実際に農作業を体験します。宿泊中は家族の一員となって食事の用意・後片付け、食後のだんらん、楽しいおしゃべりも。お客さまではなく、家族になることによって農家の本当の暮らしが体験できます。

修学旅行生のプログラムは通常2泊3日。1日目は緊張していた子ども達も、2日目からは親戚の家へ遊びに来たようにのびのびとした表情を見せるといいます。長年、修学旅行生を受け入れてきたりんご農家の坂本登さんは、「こちらは毎日、毎年繰り返していることだけれども、農業体験に来る子たちにとっては一生に一回の貴重な思い出になる。だから、来てよかったと思ってもらえるよう、精一杯の気持ちで接しているんですよ」と受け入れへの思いを語ります。

一見、やる気のなさそうな子が目をキラキラさせて農作業に取り組んだり、ホームステイ中は無口だった子どもが、感謝や感激の気持ちをあふれんばかりに表した手紙をくれたり。子どもたちとの思い出は、一つひとつが宝物だと坂本さん。ホームステイが終わっても長く交流が続くといいます。

南部町では、これら修学旅行で得られた農家民泊のノウハウをさらに発展させ、平成18年度からは修学旅行生だけではなく、農家生活の体験を希望する一般の方々に向けた受け入れもおこなっています。農作業の内容は、ホームステイ先の農家や時期によっても変わりますが、主にりんごの摘花・摘果（果実の品質を高めるために余分な花や実を取り除くこと）、果実の収穫などがあります。
くわしくは南部町グリーン・ツーリズム推進室までお問い合わせください。

南部町では、気軽に農業体験ができる「四季のまつり」を随時開催しています。作業に参加した人には果実のプレゼントなども。体験時間はどれも1時間程度なので、旅の合間に、ちょっと農業を楽しんでみませんか。