東日本大震災応援メッセージ(平野啓子氏)


農業が復興の大きな力に

都市と農山漁村の共生・対流推進会議
副代表・語り部 平野 啓子 氏


 東日本大震災で世界から注目され、海外のトップニュースにもなった日本人の「助け合い精神」。この誇るべきわが国の国民性に私たちは改めて気づかされた。共同体的な農耕生活には欠かせないこの精神が、有事に力を発揮したのだ。今も全国の皆さんが東北に思いを寄せ、励まし、助け合っている。
 宮澤賢治は、岩手の山や森で感じたことを数々の童話にした。また、近代農業を推進し、子どもたちに農業を教えた。その詩「稲作挿話」の中で、「きみのようにさ 泣きながらからだに刻んでいく それがやがて大きな芽を葺いてどこまで伸びるかわからない。それがこれからの本当の学問の始まりなんだ」と農作業に励むこどもに呼びかける。まさに、現代の子どもの農業体験に当てはまるだろうか。
 農業が元気になることは、東北復興の大きな原動力になるはずだ。被害を受けた方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を願ってやまない。東北の農産物を買い、農業体験を想い、そこで育まれた文化を現地で体感しよう!東北の美しい水田に満開の桜の花が映る…そんな春が早く来るように!