第10回オーライ!ニッポン大賞 審査委員会長賞
NPO法人銀座ミツバチプロジェクト(東京都中央区)


[地域:関東]

受賞者の概要


銀座のビルの屋上でミツバチを飼う意外性が、多方面から注目を集めている。

活動年数:7年
年間の活動日数:約300日
活動拠点施設:紙パルプ会館(東京都中央区銀座)
活動エリア:銀座を中心に全国
年間の参加者数:約5,000名


受賞の内容


銀座のパティシエや百貨店と連携して様々な商品を開発。

震災直後は支援物資の輸送や義援金活動、復興イベントを。現在は商流づくり等で被災地を支援。

■受賞の内容
銀座ミツバチプロジェクト(通称:銀ぱち)は、都市と自然環境との共生を目指し、平成18年に東京・銀座のビルの屋上でミツバチの飼育を開始した。
銀座にはバーテンダーの世界チャンピオンや、名だたるパティシエ、百貨店のバイヤー、五つ星のホテルの料理長等、様々な人材がいる。彼らが銀座産のハチミツを粋に感じ、スイーツやカクテル、化粧品等、それぞれの技で商品化、各店で人気商品となり話題を呼んでいる。
活動開始から約3年後、皇居や浜離宮の桜、霞ヶ関の栃の木が実を付け始めるなど、目に見える環境の変化が起きた。開始当初は皇居から蜜を掠め取っていると冗談を言われたが、ミツバチは授粉の役割を果たしていた。雅子様が銀座のはちみつをお買い求めいただいたという記事が週刊誌に掲載されるなど話題に。徐々に「屋上を貸してあげる」という企業が現れ、ミツバチが遊びにいける花畑や野菜畑(ビーガーデン)を作ることを提案し、今では銀座のビーガーデンは12箇所、1,000㎡以上に及んでいる。
ミツバチは農薬に弱いことから「環境指標動物」と呼ばれている。そこで、環境に配慮した農業に取り組む地域を応援しようと、活動拠点である銀座3丁目の紙パルプ会館で農産物等の販売や、地域の伝統文化を紹介する「ファームエイド銀座」というイベントを平成18年から行っている。
現在では、新潟(トキ×ミツバチ応援プロジェクト)、福島(うさっぱちプロジェクト)、茨城県、愛媛県宇和島市、栃木県茂木町、徳島県阿南市、大分県 竹田市、岡山県新庄村、秋田県藤里町、高知県本山町、福井県等へ交流の輪を拡げている。また、江古田、池袋、渋谷、鹿島、多摩センター、自由ヶ丘、恵比寿、日本橋、仙台、札幌、名古屋、横浜、大分、小倉、梅田、さいたま等、各地のミツバチプロジェクトとも連携している。
震災直後、交流先の福島市からの要請で、全国のミツバチプロジェクトやファームエイドの関係者に呼びかけてマスクを4万枚、化粧品を10万点以上、歯ブラシ3,000本等様々な物資を現地に送るとともに、集めた義捐金100万円を福島市長に直接手渡した。
 その後は「買い支え」と「継続支援」を合言葉に、販売促進や情報発信を展開。5月4日~5日の日程で福島市土湯温泉へのツアーを実施し、銀座のママらがハニーハイボール等2,000杯を提供。銀座では、茨城県、福島県須賀川市、宮城県等の復興イベントを開催してきた。
平成24年度は須賀川市を中心に被災地支援の商流作りに取り組んでいる。地元の特産物を銀座のパチンコ店の景品にしたり、首都圏の医療福祉施設に出向き顔の見える交流をし、特産物を販売することで応援して買ってもらう仕組みを作っている。また、須賀川で酒米を田植え、収穫し、仕込み、「銀牡丹」という銘柄のお酒を1,500本作って販売している。


講評


銀座の屋上でミツバチを飼うという意外性が国民の食や農業に対する関心の喚起に及ぼした貢献は大きく、銀座のパティシエや百貨店等と連携して次々と新たな企画に挑戦する姿勢も高く評価されました。全国のミツバチプロジェクトと連携し、被災地支援も行っており、今後の各地域の活性化につながると期待されます。