第3回(平成17年度)オーライ!ニッポン大賞
審査委員会長賞


団体名:由仁町 
  都道府県・市町村名:北海道由仁町


 由仁町の基幹産業である農業とまちづくりの課題を同時に解消するため、基本コンセプトを「ハーブ」に据え、交流拠点である「ゆにガーデン」を中心として、ハーブの持つ多様性に着目した地域の活性化を図っている。また、都市からの定住の促進に取り組むため建設された『優良田園住宅地』では、新旧住民のコミュニティー形成を重視し、コーポラティブ方式を採用し、対話を通じた信頼作りや、協働の仕組みを組み込むなど、地域おこしと定住促進を組み合わせている点が評価された。



団体名:特定非営利活動法人 尾上町蔵保存利活用促進会
  都道府県・市町村名:青森県平川市(旧 尾上町)


 「農家蔵の町・グリーン・ツーリズムの町」としての全国ブランド化を目指し、旧尾上町の農家が所有する農家蔵の調査や蔵マップの発刊、蔵フォーラムの開催等各種事業を実施し、蔵保存と利活用を推進する活動を行っている。また平成16年より首都圏の中学校の修学旅行(H17年262人)を受け入れている。蔵という既存ストックの利活用と、グリーン・ツーリズム、町づくりを結びつけた個性的な活動を行っている取組みである点が評価された。



団体名:片品村農業協同組合
  都道府県・市町村名:群馬県片品村


 冬期スキー民宿を営む農家民宿の年間を通じた受入れを図るため、地域の自然や農業を活かした交流事業を展開。昭和62年度より中山間地域の経営安定等地域の活性化に寄与することを目的に営農指導業務の中に農業観光担当を設置し、グリーン・ツーリズムの受入れ組織として先駆的な取組みを開始。「子ども長期自然体験村」の実施や登録民宿の組織化、外国人旅行者や姉妹提携の都市・JA、グリーンライフの受入れ等を行っている。平成17年には農家民宿の「どぶろく特区」などグリーン・ツーリズムビジネスのモデルを創出し、中山間地域の活性化に貢献している点が評価された。



団体名:ユニチカ労働組合
  都道府県・市町村名:大阪府大阪市


 平成14年より、組織統合30周年の記念事業「緑のプラン」(森林保護の取組みを通じ自然の大切さを学び、環境問題に対する意識高揚を図るとともに組合員のリフレッシュ、レクリエーションの場を提供)として、和歌山県日高川町の森林2haを借り入れて環境保全のための森林づくりを行っており、和歌山県内で13団体が取り組む「企業の森」第1号である。組合員やその家族が年2回の下草刈りと木工・竹細工などの田舎体験を行い、地元の「中津ゆめ倶楽部21」の体験メニュー活用し、宿泊は「きのくに中津荘」と業務提携しプライベートとしても活用できる福利厚生施設にもなっているなど、企業の社会貢献活動の先駆的な取組みが評価された。



団体名:特定非営利活動法人 新田むらづくり運営委員会
  都道府県・市町村名:鳥取県智頭町


 人口減少、高齢化に悩む新田地区が平成3年の大阪いずみ市民生協との交流を契機に体験交流事業に取り組んでいる。平成6年から5年毎に活性化計画を策定して事業を推進するとともに平成12年には集落型NPO法人を設立し、子ども達の健やかな成長を目的とする「田んぼの学校」の体験交流事業だけでなく、伝統芸能の保存や「新田カルチャー講座」といった勉強会の開催、小さな公共事業(農道、水路等の整備)、小さな福祉事業(ミニデイサービス等)を実施するなど取組み活動も充実しており、集落ぐるみで集落の活性化に取り組んでいる点が評価された。



団体名:財団法人 阿蘇グリーンストック
  都道府県・市町村名:熊本県阿蘇市


 千年以上もの間、地元農家(牧野組合)で維持管理され、貴重な動植物の宝庫として知られる阿蘇の草原の保全を目的に1995年に発足。中でも都市からボランティアを募り、草原維持の困難な牧野に派遣し、野焼きや輪地切り支援活動を行う「野焼き支援ボランティア活動」は、初心者研修の受講も義務付けていることから技術的な質も高く、登録会員数が500名を越える。この活動で8町村22牧野組合での野焼き(約4000ha)が維持されるなど、都市と農村、行政、企業、学校が連携した環境保全活動を行っている点が評価された。