第2回(平成16年度)オーライ!ニッポン大賞
審査委員会長賞


まほろばの里農学校(山形県高畠町)


 平成2年に、農村と都市の交流と環境の調和により発足した「たかはた共生塾」が都市住民に農業・農村の理解を深めるため平成4年に開講した「まほろばの里農学校」は、毎年2回(6月と9月)に都市住民等を対象に農業・農村体験活動を行っている。現在では75人(40世帯)を超える町内移住者「新まほろば人」を生み出し、認定農業者(4名)や農家民宿を経営する者も現れるなど、交流を通じて地域の活性化に大きく寄与された点が評価された。



高柳町(新潟県高柳町)


「じょんのび」(「ゆったり、のんびり」の意)をキーワードに、かやぶきの里など受け入れ体制の整備も行いながら交流観光によるまちづくりを実現するため、地域の連携を重視した地域ぐるみの取り組みを町民と行政が一体になって取組み、その結果、平成6年13万人から平成15年24万人と交流人口が大幅に増加し、野菜直売所の開設など新たな活動が始まるなど、町の人材、自然、文化にわたる地域資源を活用する取組みが地域の活性化をもたらした点が評価された。



東村(沖縄県東村)


 行政と民間が一体となって地域活性化方策や地域資源の掘り起こしを行い、交流型農村の基盤づくりや体験滞在型観光の受け皿組織(エコツーリズム協会、ブルーツーリズム協会、グリーン・ツーリズム協会)が、新たな雇用の場の創出にもつながっている。早稲田大学の援農文化体験ツアーや県内外のセカンドスクールを受け入れるなど体験学習を推進。都市と農山漁村のお互いの暮らしが豊かになる取組であり、地域の活性化に貢献している点が評価された。



よこはまホタル村(青森県横浜町)


 ゲンジボタルが生息する北限地として、また横浜町の豊かな自然環境のシンボルとして「ホタル」を中心とした活動を実施。稲作や地引網体験の受入の他、ホタル大使の公募、イメージソングのCD化などユニークな活動も交え、年間を通じた各種イベントにより県内外からの集客が図られている。また東京都小金井市や神奈川県横浜市との交流も展開。本活動が町への経済効果や地域住民の生きがいづくりにつながる点や、今後の展開にも意欲的である点が評価された。



掛川市(静岡県掛川市)


 昭和54年に全国に先駆け『生涯学習都市』を宣言し、市民一人ひとりが一生涯学びつづけていこうと生涯学習まちづくりを展開。そして、将来都市像・市民像を実現するため、「健康福祉、教育文化、環境資源、経済観光、建設防災、広域交流」という6分野をイニシャルKで「6K政策」として体系化し諸事業を柱に、都市と農村の共生対流を全面展開している。特に市民の力で新幹線の駅をつくり、地域において交流につなげた点を評価された。



特定非営利活動法人グラウンドワーク東海(愛知県名古屋市)


 個人、団体、企業、行政と幅広い会員で構成され、住民・企業・行政のパートナーシップによる身近な環境活動の普及啓発活動や、岐阜、愛知、三重の東海3県で環境改善活動を実施する団体の支援を行っている。都市側と農山漁村側両方の会員に自然環境に関する呼びかけを行う事により、相互理解が生まれ往来者を増やすなどの実績により、グラウンドワーク活動の普及と実践活動は今後大いに期待できる活動として評価された。



新宿区立市谷小学校PTA(東京都新宿区)


 新宿区市谷小学校の教員が食文化の研究の一環で岩手県花泉町の「餅文化」に興味を持ち花泉町立金沢小学校を訪問したのをきっかけに、子供達に自然のすばらしさ、人の心の温かさに触れる事で豊かな人間を育てようと、両校の4、5年生児童及びPTA、教職員が春と夏の年2回お互いに東京と花泉町を行き来し、いろいろな体験やホームステイを通じ交流を深めている。受入地域や保護者・学校が一体となり継続的な交流活動として定着し、今年で17年目を迎え、その継続性の面からも評価された。



西米良村(宮崎県西米良村)


 基本コンセプトを「九州中央山地一ツ瀬川源流・生涯現役元気村【カリコボーズの休暇村・米良の庄】と設定し、村民が健康で長生きし、生涯現役元気むらづくりを目指し、これを具体的に推進する戦略プロジェクトとして「8つの庄づくり」(町づくり、健康づくり、湖遊び、語り部、花づくり、川遊び、匠、交流滞在)を行っている。また全国的に有名な「西米良型ワーキングホリデイ制度」と結びつける事により、更なる相乗効果で都市農村交流の展開が図られている点が評価された。