第1回(平成15年度)オーライ!ニッポン大賞
審査委員会長賞


飯山市グリーン・ツーリズム推進協議会(長野県飯山市)


 スキー民宿から農業・農村生活体験型民宿に取り組み、平成9年に「なべくら高原・森の家」を設立し、地元の豊かな資源を活用した体験プログラムの開発や資源の発掘を行い、180名の市民によるインストラクターにより、都市住民のニーズにマッチした体験プログラムを用意し、リピーターも多く、グリーン・ツーリズムの普及推進に寄与している点が評価された。



色川地域振興推進委員会(和歌山県那智勝浦町)


 廃校を利用した「町立籠ふるさと塾」を拠点に、新規定住者の受入れを推進。昭和52年から44世帯121人が新規定住し、地域全人口の25%を越えている。その結果、在校児童生徒28名のうち8割が新規定住者の子供である。新規参入者が4分の1を越える取り組みは全国的に見てもとてもユニークな取り組みであり、定住促進を目指す他の地域の参考になる点が評価された。



上田西百姓王国(岡山県加茂川町)


 加茂川町の『全町公園化構想』をきっかけに上田西地区の住民会が百姓王国を建設した。百姓王国は、農作物毎に大臣を任命し、大臣の似顔絵看板を設置したり農業体験修学旅行の受け入れを行ったり、郷土料理の提供、250本の桜をボランティアで植樹するなど環境美化に取り組んでいる。住民が「遊び心」を活かして楽しんで活動しており、地域への啓発に繋がるという点が評価された。



特定非営利活動法人エコ・ビジョン沖縄(沖縄県那覇市)


 持続的で環境調和的な再生産の場づくりを図るため、地域における生ゴミの減量化と、生ゴミの飼料化・堆肥化を都市部周辺の農家と連携し循環利用を促進している。生ゴミ排出業者、回収業者、飼料化業者、堆肥製造業者、養豚農家、販売業者、行政などの間のコーディネート役を担い、現在は月56トンもの生ゴミが資源化されるなど、今後の環境保全、循環型社会を創造する上で重要な取り組みである点が評価された。



特定非営利活動法人里山倶楽部(大阪府大阪市)


 里山文化の継承と都市と農村住民の交流を目指し「里山の学校」を開校、農林業の作業や技術、伝統行事を教えており、平成13年からこれまでに69名が参加している。里山経済の活性化と農的暮らしの復興を求め、地域住民との交流も積極的に進めており、都市側から積極的に農山漁村への交流を仕掛けている取り組みである点が評価された。



特定非営利活動法人ホールアース研究所(静岡県芝川町)


 昭和57年より良質で適切な農山漁村での自然体験活動の提供や調査研究、人材育成などを自治体と連携し企画・運営を行っている。自然体験教室は年間6万人参加、小・中・高校の修学旅行向けの教室は年間400校、4万人以上が参加している。国内最大の自然学校であり自然環境や農山漁村体験の専門家集団として、その実績が高く評価された。



園田秀則(山口県美祢市)


 園田氏の所有する山林を一般に開放して、NPO法人里山ネットワーク、里山マイスター、林業指導士の専門性を生かし、森の手入れ、キノコ狩り、炭焼き等の森林体験の場を提供している。また、専門家による森林技術の指導も行い、年間3000人の参加者を得ている。森で何をするかは体験者の自由であり、このようなスタイルは従来の体験型から一歩進んだ形である点が評価された。



安心院町(大分県安心院町)


 『安心院方式』といわれる会員制農家民泊のシステムを築きあげ、大分県下にその取り組みは広がっている。平成14年度の実績では一般民泊者2650人、学校8校345人に上る。また、従来の時間割の体験プログラムではなく、ふれあいを重視した家族の一員として農村の生活そのものを体験するプログラムを実施し、住民主体でグリーン・ツーリズムのまちづくりを実践するなど、農村らしさを大切にした個性的な取り組みを行い、他の地域に広く波及している点が評価された。



特定非営利活動法人大山千枚田保存会(千葉県鴨川市)


 平成7年に大山千枚田保存会が設立、平成12年から棚田オーナー制度を実施し、15年度136組を受入れている。また、大豆畑トラストは、15年度55口を受入れるなど、 東京を含む大都市圏に近いという条件を生かし、都市住民との交流を通じて美しい棚田をしっかりと守っている。また、この交流活動を通じ、地元の人々に誇りと自信が生まれている点が評価された。



特定非営利活動法人黒潮実感センター(高知県大月町)


 「里海」をキャッチフレーズに自然を実感する取り組み(海洋セミナー、海の環境学習、体験実感学習など)や、自然と暮らしを学ぶ取り組み(調査や保全活動、自然を生かす暮らしづくりなど)を実施している。海洋資源を生かした体験学習は、県内外の学生やダイバー、観光客を呼び、地元の住民と交流することで自分の地域の価値を見出しており、環境保全への取り組みも活発化し、地域活性化に寄与している点が評価された。



白山連峰合衆国事務局(石川県鶴来町)


 平成元年に1市5町による観光共同体として設立。従来型の観光から、地域の四季折々の資源を活用した山歩き、歴史、文化探訪などのメニューを企画開発し、交流を推進している。3年前には合衆国の長である大統領を民間から受入れるなどユニークで積極的な活動を行っている点が評価された。



兵庫県子ども自然村(兵庫県神戸市)


 青年ボランティアや地元の方々による手づくり村で、稲刈り、地元の祭り、農作業体験、生活体験などの交流を活発に行っている。都会からの送り出しはとても難しい中でよく活動している事例である。受入れる側の市町村にも都市側にこのような子ども会の体験活動があることをもっと伝え、うまく連携していけば都市と農山漁村の共生・対流がさらに推進すると考えられる点が評価された。



水土里ネット立梅用水(三重県勢和村)


 農業用水施設の近代化による農家の農業用水離れを解消するために、都市住民と地域住民で農業用水の保全活動をスタートし、美しいむらづくりや都市農村交流を推進している。あじさいの植栽、休耕田を利用したメダカ飼育など、身近な農業用水を活用し、子どもたちや都市住民に水の大切さや自然環境の理解を深めている取り組みが評価された。



有限会社とかち自然体験学校(北海道豊頃町)


 北海道檜山地区、十勝地区において有限会社とかち自然学校が行っている活動は、小中高校の修学旅行、首都圏や地域の子どもたちを中心とした人々の各種自然体験、また、地域の農家や酪農家と連携した農林漁業体験を受け入れている滞在型観光体験ビジネスであるが、自然及び一次産業と結びつけた民間によるユニークな新しいタイプのビジネスである点が注目され、都市農村交流の推進、積極的に地域活性化に寄与している点が評価された。