世界遺産、流氷の来る海で漁業の現場を体験する
流氷の海の漁業見学体験プログラム/羅臼
今後はコンブづくり体験も




今後はコンブづくり体験も


 石田さんは、「今後も羅臼の自然を活かしたいろいろなマリンツリーズムを企画していきたい。たとえば、コンブづくり体験などです」と語ります。
昆布の漁期は7~9月です。とれた昆布は、表面についた汚れや藻を洗ってから、浜辺で一枚一枚天日干しします。そして夜の湿気を吸わないよう、夕方には取りまとめて番屋にしまいます。こうした作業は、旨味をのがさないよう手早く行う必要があるので、最盛期にはアルバイトも必要です。石田さんも、「中学生の頃に、コンブづくりを手伝った記憶が鮮明に残っている」と語ります。また、バイクなどで旅する若者が、ここで旅費を稼いでいく姿も、季節の風物詩となっています。
乾燥が進むと、次は逆に夜の乾場に出してしっとりさせ、加工しやすいようにします。数枚ずつ、巻いてひと晩置き、今度はまた一枚ずつ伸ばし、同じ大きさに分けていきます。シートをかけて寝かせた(「あんじょう」)後、再び好天の日に乾場に出して乾燥します。これを「日入れ」といい、旨味をぐんと引き出すには欠かせない行程なのです。
さらにあんじょうして全体に均一に旨味を醸し出させた後、周辺のぴろぴろした部分や根元を整え、さらにあんじょうを重ねます。こうして独特の旨味をもつ羅臼コンブが誕生するのです。