世界遺産、流氷の来る海で漁業の現場を体験する
流氷の海の漁業見学体験プログラム/羅臼
羅臼ならではエコツーリズム




羅臼ならではエコツーリズム

羅臼漁業協同組合理事の石田一美さん
羅臼港
遊漁船
2006年の漁業体験

 羅臼漁業協同組合理事の石田一美さんは、漁師歴30年の大ベテランです。
「祖父が羅臼に移り住んで漁をはじめ、私で三代目になります。父は祖父から18歳の時から船を任され、若い頃から海で活躍したそうです。私も高校卒業してすぐに海に出て、3年目に、『舵もっていけや(船長になれ)』と父親に言われました。以来、船頭歴は25年目になります」
石田さんたちは、7、8年前から羅臼でのエコツーリズムを模索してきました。
エコツーリズムとは、自然環境などの資源を損なうことなく、自然を対象とする観光をおこして地域振興を図ろうというものです。自然の成り立ちや歴史・文化がもつ深い意味をわかりやすく解説することで、来訪者に大きな感動をもたらし、それが経済行為として成り立つ新たな観光形態として注目されています。
環境省は04年度から3カ年計画でエコツーリズムのモデル事業に取り組み、知床はモデル地区の一つに選定されています。
石田さんたち羅臼の人々は、ここならではのエコツーリズムをつくりあげようと、数々の試行錯誤やモニタリングを繰り返してきました。
そして2006年2月、漁業と観光の振興を目指すマリンツーリズム「流氷の海の漁業見学体験プログラム」をスタートさせたのです。これは流氷のなかで行われるスケソウダラ漁を見学するツアーで、知床エコツーリズム推進協議会、遊漁船組合と漁業者、エコツアーガイドが提携して始めました。