農林漁家民宿魅力把握調査結果

2013.06.18

平成25年1月30日、農林漁家民宿の品質向上とグリーン・ツーリズムの普及推進及び地域活性化のために農林漁家民宿魅力アップ研修会で、調査結果を発表しました。

農林漁家民宿魅力把握調査の結果概要

都市と農山漁村の共生・対流推進会議 (オーライ!ニッポン会議)では、最近、テレビや雑誌等のメディアで取り上げられることが多くなっている農家民宿について消費者がどのように評価しているのかを知り、今後の経営の参考にしていただくために、おかあさん100選の選定者及び農林漁家民宿の経営者にご協力をいただき、宿泊されたお客様にアンケートを実施しました。農林漁家民宿の魅力がどこにあるのか、その魅力を強みとして活かし、農林漁家民宿の集客を促進するために、調査結果をまとめましたので発表します。

1.調査の概要

★調査方法:農林漁家民宿から宿泊客に渡された自記式アンケート調査(各民宿でまとめ事務局に返送)
★調査対象者:(一部被災地を除く)
  登録農林漁業体験民宿(以下登録民宿) 380軒、
  農林漁家民宿おかあさん100選認定者(以下おかあさん100選) 98軒の宿泊者
★調査対象者数 :810名
★調査期間:2012年9月7日(金)~12月20日(木)
★質問項目: ①民宿のイメージ ②宿泊回数 ③予約のきっかけ ④宿泊理由目的 ⑤全体評価 
   ⑥個別印象評価 (料理、お風呂、施設・景観、民宿の人との交流、価格)
★集計分析会社:(株)RJCリサーチ 


2.調査結果の特徴

 全体の評価では、大変良いが66%、良い27%、やや良い5%を加えると98%が良いと評価している。
 農林漁家・農林漁業体験民宿のイメージは、アットホーム63%、料理がおいしい57%、のんびり46%、民宿の人とのふれあい46%、 料理が新鮮45%、安い34%、田舎体験ができる27%と続く。
 宿泊回数では、5回以上のヘビーリピーターも8%もいた。
 今までで一番長い宿泊日数では、1週間から一カ月が10%もあり注目される。
 この民宿への予約のきっかけは、人に紹介されてが最も多く35%、次いでインターネット29%
 宿泊理由・目的は土地の食を味わいたい41%、のんびりしたい37%、地域交流16%、体験13%という結果であった。 階層別にみると、 2-4回のミドルユーザーやファミリ-はのんびり目的、マスメディア、HPがきっかけの人やファミリーがその土地の食目的。20代以下や一週間以上の長期滞在者は地域の人との交流が目的となっている。
 民宿の人との交流では、笑顔68%が最も高く評価された。


3.まとめ

 今調査結果の一番印象的だったのは利用者(お客様)の評価が非常に高いということ。当該民宿に初めて宿泊した人が7割もいてその人たちも好評価だったことを考えるとこの結果は確かな実態であると思わる。
 顧客プロフィールに関しては20代以下で高反応に驚かされた。小中学校時代の学校の田舎体験が効を奏していると思われる。また一人旅がかなりあり、今後、さらに受け入れやすい対応を推進してもらいたい。
 宿泊のきっかけとして、コミュニケーションが重要であり、インターネットやHPの整備が今後ますます必要になってくる。
 重回帰分析の結果から注力すべき点が絞られた。おかあさん100選の場合は、<料理>の「ボリューム」「味」「素材」、<交流>の「宿の人の笑顔」の4項目。 登録民宿は「料理/素材」「お風呂/清潔感」「交流/独自の演出」の3項目が注力すべき点。ただこれはあくまで平均値での話であり、自分の民宿の強みや個性的な魅力をどう作っていくかが重要である。この強みを活かして個性的な魅力つくるためには、2012年に作成公表した『農林漁家民宿おもてなしハンドブック』のチェックシートを活用し品質向上に取り組まれるのが良いと思う。