GT商品開発教室 連載講座 9 「市民メディア(みんなが放送局)」


◆映像による市民メディアは、農山漁村の地域づくりにもつながる

市民メディアプロデューサーの鈴木賀津彦氏は、「メディアというと、大手の新聞やテレビ局などのマスメディア、マスコミで、自分たちは、メディアから発信される「情報を受け取る側」であると思われているが、現代は、パソコンとインターネットを繋げれば誰もが情報発信できる時代であり、そのことにより、誰でも情報を発信し、テレビも見る立場から「出る」、「番組をつくる」「発信する」ことが簡単にできるようになった」と言う。
 
我々自身が「情報発信者」になる、新しい多様な市民メディアをつくる「実践」が必要になっており、これからは「市民メディアの時代」がやってきている。
熊本県山江村で始まった「住民ディレクター」の活動が起爆剤になり、共感する人たちが自分たちの地域で取り組み始め、今では各地の住民ディレクター同士が交流し合うなど盛り上がっている。

「住民ディレクター」とは、地域の話題を地域の人たちが自らテレビ番組のディレクターになって映像情報を発信する人。この取り組みが、地域を元気にする仕掛けとして全国的に注目され、広がっているのだ。
さらに鈴木氏は、「地域づくり」で言えば、これからは住民自らが地域を盛り上げる活動に参加する「当事者意識」が欠かせないが、それを創り出していくには、地域住民が情報を共有すること共通認識をつくることが必要で、そのためのメディアが求められている。
多くの人々に知ってもらいたいことがある時、マスコミに「取材してください」「記事にしてください」と頼むのではなく、私たち自身で情報発信することが大切で、それが今後の「市民社会」での「地域力」のバロメーターになる。
 
自らの情報を発信することの利点は、そこから「共感」が広がり、発信者自身が元気になり、集落も同じくで、情報発信すると、その集落はますます元気になる。「市民メディア」はみんなを元気にする活動である。
 
一方で、マスメディアも「発信者」と「受信者」の双方向性が重視されるようになり、読者参加、視聴者参加型の記事や番組が増えている。
その結果、「市民記者」が登場して、これまで受け手だった人たちに取材してもらうような関係も発生している。

マスメディアも「市民メディアとの連携」なしには、やっていけない状況も生まれており、その連携のあり方がそれぞれのマスメディアの将来展望をも左右しているという。
 確かに、ブログやツイッターフェイスブックなど多様な方法で情報発信や交換することが可能になり、またそれをすることが、実に楽しい時代であるが、市民が現場から情報発信する市民メディアが世の中を大きく変えていることを理解し、地域自ら発信をするような「市民メディアのつくる」という動きも必要となっている。


【ケーススタディ】

オーライ!ニッポン会議 第1回共生・対流情報戦略ワーキング・グループで、日本の限界集落を回った友廣氏にヒアリングした内容をリアルタイムに、iPhone からUSTREAM(ユーストリーム)に動画投稿した。
 30府県の70の限界集落を半年かけて訪問し、農山漁村の人々およそ300人と交流した25歳の青年、友廣裕一氏を招いて、若者はなぜ農山漁村を目指したのか。農山漁村を旅して感じたこと、これからの活動、さらに若い人たちの農山漁村での活動への支援の在り方を意見交換しました。

限界集落を回った友廣さんのお話・・・
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友廣 裕一氏のプロフィール

大阪出身。
08年3月早稲田大学商学部を卒業。学生時代より、早稲田の街で学生と地域をつなぐ『街プロジェクト』の企画や社会起業家のビジネスプランコンテスト「STYLE4th」の運営など地域を初め、社会を良くするための手段としてビジネスを行うことについて関心を持ち、精力的に活動。 大学卒業後は、地域に関する企業の立ち上げに関わった後、地域の現場をより広く・深く知りたいという想いから日本一周の旅をしようと決意。
そこで、地域の魅力を自ら全国に発信する限界集落・過疎地 日本一周プロジェクト『ムラアカリをゆく』を企画し、その地に根を張って暮らす方々の家に泊めていただき、農林漁業・酪農・畜産・まちづくり・ものづくり・伝統芸能など様々な手伝いをしながら、180日間で約70箇所に滞在。

友廣さんのツイッター・・・
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家庭用ビデオで撮影したものを後で、投稿することも可能なので、農山漁村の風景や伝統行事など、WEBサイト等では説明し難い内容も動画でPRすることが可能であるこの動画配信サービスを利用して日本財団ボランティアセンターでは、PR力コンテストを実施した。