GT商品開発教室 連載講座 5 「都市農村交流のための情報発信の戦略」


 情報発信を行う前に、グリーン・ツーリズムの特徴を理解して、個々の商品の魅力を如何に伝達するか。以下の項目を意識して情報を作成する。

 
(1)地元の人がわからない価値はお客さんや外部の人を対象とした調査で把握する。
その価値が検証されると地元の人の誇りにつながる。また誇りになると地域に一体感ができる。

(2)地元の人も含めお客さんに体験してもらわなければわからない。
価値をわかってもらうにはモニターツアーを実施して体験者にその魅力を、リアリティを持ってもらい、動画(YouTube)等で語ってもらう。
健康食品の広告のような利用者登場の情報発信を活用する。
参加者の評価がブランドにつながる。

(3)地元の地域活性化にかける一生懸命な思い=情熱や提供する商品やサービス価値のうんちくを掘り起こし伝達することも共感につながりやすい。

(4)GTは実施してみると、どこまでがお客かが見えなくなるのが商品特徴
   だが、商品のコンセプトに違わなければ企画、実施、反省等の各レベル で、お客さんの声、お客さんの行動、最後にお客さん自身をとりこんでしまうことができる。仲間になってもらう事はリピーター化の施策に有効である。




そして、情報発信のメディアとして、
自らのWEBサイトの立ち上げ、関連するサイトへの情報発信、投稿を行い。GT商品開発、参加募集を持続的に行うためのWEBサイトの活用戦略を練る。

①農山漁村側の自らのWEBを活用する場合
主に、地域で行われている伝統文化や食の内容を詳しく解説するほか、季節ごとの風景などの写真等を発信する。

②また、オーライ!ニッポン等の中間支援組織への情報提供の場合は、体験ツアーやイベントの情報を実施する日時よりも1か月以上前に登録する。
大手新聞や雑誌は編集の都合上、2~3か月前に情報を得ないと掲載できないということがあるので、WEBサイトでは、タイムリーな情報発信ができる反面、それを見て、参加しようとする消費者の立場を考えると少なくとも1か月以上前に、情報発信することが求められる。

③ターゲットごとの情報戦略づくりについて
なぜ情報発信するのか目的とターゲットの選定について検討をする。
新しい取組として、グリーン・ツーリズムの場合は、地域活性化の支援を目的に若者、学生との交流や企業のCSRのパートナーとして企業の顧客や家族を対象とした農業体験などが考えられる。

④メディアに対する具体的な情報発信方法
 メディアへの情報発信は、後述する「8.プレスリリース」のすすめで説明する「5W5H」が重要だ。これは常識の世界である。でも常識だけでは、世の中が動かない。情感というのが左右される。なぜそれが面白いのか。心に訴える何かが必要なのだ。それを言葉に出すと、日本初とは、これまでにないとか言った、オンリーワンのものを見つけ出すことも重要だ。でも、それがなくてはダメだというものではない。要するに切り口をどう見るかの視点なのだ。どこでもやっている田植え体験ツアーだと思われないように工夫するということなのだ。

 写真は、文字よりも魅力をより具体的に伝える。風景や体験の内容を伝えようとするなら写真は必要だ。人の心には文字で説明した内容よりも写真のイメージの方が残りやすい。またたくさんの情報のなかから惹きつけるためにも写真が良い。