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| 連携事業の概要 |
| ○ 農工団地に立地した大手化学メーカーが、多角化部門としてバイオテクノロジーを活用したウィルスフリーのニンニクを生産し、同社で商品化するとともに、地元農家に種子を供給している。ニンニクは粒の大きさや味の良さから当地の特産品となるに至っている。 |
| 農業と連携を図っている工業の概要 |
| ○ 大手化学メーカーは78年に操業開始して以来、殺虫剤、農薬の原末を製造している。約78haの広大な敷地面積を持ち、その一角に農産物を生産する子会社の事業所及び農場がある。 ○ 従業員は本体と合わせて約130人で、業務委託要員を合わせて170人前後である。 |
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| ○ 県の要請でバイオテクノロジーを活用した長芋、ニンニクの品種改良に取り組んだのが農業分野に進出する契機であった。当初は県の農業試験場と共同開発を行っていたが、後に単独開発に移行し97年に事業化のめどがついたことから子会社を設立した。子会社は2002年に大阪にある植物ビジネス全般を扱う別会社に統合され、現在は同社の事業所としてニンニクの生産を行っている。 ○ 研究開発部門は大阪にあり三沢市では開発は行っておらず生産に特化している。 ○ ニンニクの球根はウィルスフリーであるとともに、栽培上の技術改良により大きな粒を作り出すもので、栽培技術は化学メーカー本体が特許権を所有している。このため、特許料を本体に支払っている。 ○ よい血筋(粒が大きい)ニンニクを農家から探し出すのに10年以上かかるなど、開発には時間と費用がかかっており、開発費は元がとれていない。単年度ではようやく黒字になったという段階。 ○ 中国産の安価なニンニクが入って一次価格が暴落したが、高級品、ブランド品として差別化ができた、国内市場でまだ増える余地があると見ている。 ○ 同社としてブランド化し育種販売しているとともに、農協を通じて三沢市の農家に種子を供給している。年間5,000万円程度の売り上げに対して三沢市に供給しているのはその1割弱である。農家に対して普及指導も行っている。 ○ 長芋にも取り組んだが、十分なものはできず、現在あらためて取り組んでいる。工場内では長芋栽培の適地がないため、実験室レベルの研究を社内で、栽培試験は地元の農協、農家でという切り分けになっている。 |
| 地域農業の概要 |
| ○ 農協がニンニクの産地化を図り行政とともに化学メーカーとの連携を進めた。 ○ メーカーから買った種子を農協でいったん増殖してから農家に供給している。農家が自家産の種子として栽培すると品質が安定しない、ウィルスフリーにならないなどの問題点がある。 ○ メーカー側では農協で2年増やし農家自身も2年かけて4年目に出荷というサイクルを指導している。 ○ ニンニクは手間がかかる品種であり、収穫期は人手を集めて一気に行う必要がある。乾燥過程もある。 ○ 生産農家の農地が限られているため連作が進み、畑の地力が弱まり品質と生産力が落ちてきたため、現在長芋の品種改良にメーカーと連携して取り組んでいる。 |
| 行政の対応 |
| ○ 化学メーカーが当地でバイオテクノロジーの応用・商品化に取り組んだのは行政による要請がきっかけであり、農工連携による特産品の開発に貢献している。 ○ 化学メーカー以外にも食品関連、バイオ関連企業等の誘致を積極的に進めており、食肉工場など原料地立地型の大手企業の誘致に成功している。一方、バイオ関連企業など、物流条件がネックとなって誘致に結びつかなかった企業もある。 ○化学メーカーとは県の公設試験場が共同研究を行っていた経緯もあるが、現在は長芋の品種改良の研究を化学メーカー、公設試が個別に行っている状況にある。 ○地元農産品の加工品化を進めたい意向があり、関連企業の誘致も考えている。 |
| 課題と今後の農業の進め方 |
| [工業] ○ 工場立地の地元の要請に応えて行ってきたという姿勢が強く出ている。今後は収益性を重視した事業としての重要性が高まると思われる。現在は単年度では利益が出ているが、開発費は元がとれていない状況である。 ○ 三沢市の事業所は作物の生産に特化している。バイオテクノロジーを応用した他の品種の改良の要請に応えるには、現地での研究開発体制の強化や公設試験研究機関との連携なども検討する必要があると思われる。 [農業] ○ 工業との連携によりブランド性を持った特産品の生産などの成果を生み出しているが、さらに付加価値を高める加工品開発などの意欲が高いとはいえない状況にある。 ○ ニンニクは、種子の供給を受けてから出荷までに数年かけることが望ましいとされる。 高品質品の栽培に継続的に取り組む。 [行政] ○ 企業誘致に一定の成果をあげてきているが、地域からの新産業の創出を強化する必要があり、農産物加工品の開発などに一層積極的に取り組む必要がある。 ○ 同じ作物の品種改良が化学メーカー、公設試で別個に行われているケースがある。公的な研究は良いものを作るが、継続性や農家への供給量などで課題があるとされる。農工連携に行政も加えて効率的な開発支援の体制を構築するなどの課題がある。 |
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| ヒアリング対象 |
| ○ 青森県三沢市 ○ 株式会社住化テクノサービス |
