農山漁村体験の受入事例の紹介

心の交流を目指した「三方よし!」の子供の農山漁村体験の受入事例(滋賀県日野町)

ふるさとホームステイによる農山漁村体験の受け入れに取り組んでいる滋賀県日野町の取り組むを紹介します。
町の協議会の全面協力の下、実際に小学校の教育旅行に同行し、受け入れ側である日野町内の農家の様子も織り交ぜながら、町民が一体となった“三方よし”の田舎体験の姿を見てきました。


綿向山(わたむきやま1,110m)をバックに咲くコスモス。

古い町並み

JR近江八幡駅から路線バスで田園風景を眺めながら30~40分。滋賀県日野町の中心部でバスを降りました。まずは町中をぶらっと散策。古い佇まいを多く残す町並み。真ん中にある縦長の建物は毎年5月3日に開催される日野祭の屋台の格納庫です。

あちこちにお寺が

町の中を散策すると、あちこちにお寺を発見!町にお寺が溶け込んでいる感じで気持ちがとても落ち着きます。どのお寺の庭も隅々まできれいに手入れされていて、この町の皆さんの厚い信仰心がうかがえました。

三方よし!近江日野田舎体験推進協議会スタッフの皆さん


福本主任

加納主任

中森さん

日野町の受け入れ協議会のスタッフの皆さんです。二日間同行させていただきましたが、とにかく朝早くから夜遅くまでよく働くなあと関心するばかり。学校側、受入農家等と密接に連絡を取りながら、抜群のチームワークで各行程が滞りなく進むよう細心の注意を払っているのが印象的でした。

町の地形を生かした受け入れ態勢


どの受入家庭にもアクセス抜群!

協議会スタッフ手作りのPRリーフレット

3年目を迎えた日野町の受け入れは、徐々に実績を上げ今年度は15校2,200名を見込むほど盛り上がりを見せています。丸い町の特徴を活かし、中心部にある役場から各農家へのアクセスはどの地区にも車で約15分という近さです。これなら何かあっても学校側も安心です。また各学校へのPRに使うリーフレットはコンパクトかつ的確にまとまっており評価が高いとのことです。

先生たちとの打ち合わせ


夜遅くまで打ち合わせが続きます。

今回は京都府の大山崎町立大山崎小学校、第二大山崎小学校2校の5年生総勢132名が3泊4日の行程で田舎体験です。第二大山崎小学校が町内の綿向山(わたむきやま)登山を行う前日の夜、先生と協議会スタッフで行程の打ち合わせがありました。とにかく事故がないよう登山ルートや緊急時の対応など確認作業に余念がありません。
さて、明日は子ども達に同行して久々の登山体験です。途中でバテて迷惑をかけないことをただ祈るばかり・・・。

いざ綿向山へ!


地元の山を知り尽くしている皆さんがサポートしてくれるので安心です。

五合目でヤッホー体験。こだまが返ってくると子どもたちも大興奮

鹿の頭蓋骨です。子どもたちも興味津々!

お昼を食べて頂上からのパノラマを堪能

下山の途中で樹木の吸水音を聞いたり自然体験が盛りだくさん

子どもたちに記念の登山証明書が渡されました。

当日は絶好の登山日和となりました。子どもたちもやる気満々。綿向山を愛する会の皆さんの協力で4グループに分かれて海抜1,100mの山頂にトライです。

歓迎の祭り囃子と緊張のご対面


関東の影響を受けたというテンポの早い賑やかなお囃子です。

さあ2日間の農家泊体験の始まりです。

入村式が始まりました。日野祭曳山囃子方交流会の皆さんによる日野祭囃子での賑やかな歓迎行事後、いよいよ受入農家の皆さんとワクワクドキドキのご対面です。さあこれから町内27の受入家庭に分かれて2泊の農泊体験の始まりです。

各受入家庭のおとうさん、おかあさんと夕食


小森さん宅では皆さん揃って夕食が始まりました。

藤澤さんのお宅ではにくじゃが作りをみんなでお手伝い

小森一博・みつ子ご夫妻

受入協議会の会長でもある藤澤政男さん

1日目の夜、受入農家にお邪魔しました。初めて見ず知らずのお宅での宿泊。子どもたち、受入家庭の心の交流が始まります。

小森一博さんに伺いました。
◆みんな少々緊張してるようですが?
最初は緊張していますが、一泊すると打ち解けて自分たちで行動し始めます。
◆受入のきっかけは?
勤務先でアメリカの子どもを交流を受け入れた経験があり、日野町の説明会を機に受入先となりました。
◆工夫されている点は?
食事に関しては家内がアレルギー等気をつけてメニューを考え提供しています。また雨の日の室内での体験メニューも研修を受け工夫しています。年間のスケジュールを聞いて植える作物を変えたり屋外体験にも変化を持たせています。
◆良かったことは?
子ども達から元気をもらえるのが何よりです。お礼の手紙や電話をもらったり、家で見せない笑顔を見せてくれたり、普段あまりしゃべらない子どもが良くしゃべってくれた等話を聞いたときはやって良かったと感じます。

藤澤会長に今までの経緯をお聞きしました。
町内の日野中学校が長崎県の松浦市で6年間生活体験を中心とした修学旅行を実施ました。その結果、心の交流が生まれることが実体験としてわかってきました。そこで町でもいろいろ学んでいくうちに、町の活性化の取り組みの一つとして教育旅行の受け入れを推進しようということになったわけです。事務局スタッフの積極的な営業活動や対応も功を奏して、先生からの評価も高く毎年飛躍的に実績を伸ばしています。

スタミナ補給


日野町にお越しの際はぜひどうぞ!

二日目の夜、協議会スタッフの中森さんに町内の牛肉料理専門店「近江日野牛 岡崎」に連れて行っていただきました。いろんな料理を味わえる近江牛肉づくし御膳をいただきました。東京の一流ホテルに卸している肉だけあって、柔らかさ、味わい、脂肪のうまみどれをとっても一級品でした。さすが近江牛!これで登山の疲れも一気に吹っ飛びました。

みんな元気かな?先生が各受入先をサプライズ訪問


コツを教わって耕し方がだんだんうまくなっていきます。

サツマイモ掘ったぞ!!

先生おはぎをどうぞ召し上がってください!

二日目の朝、先生が各受け入れ先家庭を訪問しました。サツマイモほり体験、畑の耕し作業、おはぎを出してくださる家庭もあり子ども達は様々な農村体験をしていました。その顔からは昨晩の緊張は無く日野町に溶け込んでいる気さえしました。

帰路はゆったりのんびり近江鉄道で


レトロな日野駅

電車が到着

帰りは日野駅から近江鉄道でゆっくり米原駅までローカル線の旅です。ホームでのんびり田園風景を眺めて電車を待ったり、車窓の風景の変わり方を楽しみながらの1時間半でした。
二日間という駆け足での田舎体験取材でした。本当はもう一日滞在して離村式に立ち会い、子ども達がどんな表情で町を離れるのかを見届けたかったのですが・・・、それが心残りです。
受入家庭(売り手)、子ども達(買い手)の間に心の交流が生まれ、やがてそれが日野町や送り出し側の学校、家庭(世間)に良い影響を及ぼしていく。まさに皆にメリットをもたらす“三方よし!”近江商人の精神を手本とした理念に改めて納得です。それを信じて一生懸命サポートする協議会のスタッフの皆さんの姿が輝いていました。

滋賀県日野町の位置

交通アクセス

京都市内~信楽IC~日野町(高速)1時間30分
米原駅~八日市IC~日野町(高速)1時間10分
名古屋駅~名古屋西IC~甲賀土山IC~日野町1時間40分

窓口組織:(一社)近江日野交流ネットワーク


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