被災地の「農林漁家民宿おかあさん」に会いに行こう!東北復興応援ツアー in いわて

2012.03.31


東北復興応援ツアー< in いわて 平成24年3月19日(月)~20日(火) 岩手県久慈市

 まめぶ汁は久慈市の旧山形村だけに伝わる郷土料理。谷地ユワノさんは東日本大震災の翌日から久慈市内をはじめ、近隣の市町村に炊き出しに出かけました。野菜たっぷり熱々のまめぶ汁は、パンや冷たいおにぎりばかりだった避難所の人々にとても喜ばれました。昨年はB1グランプリにも出場するなど、今注目のまめぶ汁を味わいながら、谷地さんのお話しを伺い、震災と復興について考えるツアーです。
 宿泊は「農林漁家民宿おかあさん100選」に選定された谷地さんの「まめぶの家」と、旧山形村役場の課長として長年教育旅行の受け入れに関わってきた下斗米さんが経営する「しらかば」の2軒に民宿に分かれ、各宿自慢の郷土料理をいただきながら、夜遅くまで交流を深めました。翌日は、約30万本という日本一の白樺林が広がる平庭高原でのスノーシュートレッキングと谷地さん直伝のまめぶ料理づくりを体験しました。


 飛び石連休の谷間にあたる月曜日の朝7時過ぎ。通勤ラッシュの時間帯にはまだ早いこともあり、東北随一のターミナル駅である仙台駅にも人影はまばら。定刻の7時30分に西口のロータリーを後にした山交バスは、青葉通り、仙台西道路を通り、仙台宮城インターチェンジへ。長いトンネルの中延々と続く対向車線の渋滞を尻目にバスはスムーズに進み、10分ちょっとで東北自動車道へ入ると、最初の目的地である道の駅やまびこ館を目指し一路北上。岩手県に入ってしばらくすると、右手の車窓越しには昨年世界遺産に登録されたばかりの毛越寺も。前沢サービスエリアでのトイレ休憩のあと、再び北進し、盛岡南インターチェンジで高速をおりると、盛岡市と宮古市を結び国道106号線を東へと向かいます。途中、道の駅区界高原で2回目の休憩をとりましたが、3月も終わりに近いというのにあたりは一面の雪景色。道路案内図の上にあった気温表示はなんと-4℃。どうりで寒いはず。トイレを済ますと早々とバスに戻って出発です。




郷土料理のひっつみ

 朝が早かったため、お腹の虫が騒ぎはじめた11時過ぎ、やまびこ館に到着。レストラン「もうもう亭」に移動し、お楽しみの昼食です。今回いただいたのは、郷土料理のひっつみ(すいとん)にごはん、漬物、さらには地元産の四元豚を使ったトンカツが付いた「ひっつみ定食」。カツは柔らかく、ひっつみは醤油ベースのすまし汁に似たやさしい味わいでとっても美味でした。




被災現場視察(宮古市魚市場、旧田老町の防潮堤)、黙祷

 食事のあとは、隣接するやまびこ産直館でお買い物。左上の写真は、岩手県の沿岸部に伝わる郷土料理「ひゅうず」。くるみと黒砂糖、味噌を練った餡を小麦粉の皮でつつんで茹でたもので、一見すると大きな餃子のようです。普段のおやつとして、また盆の供え物として地域では欠かすことのできないものだとのことでした。
 道の駅を出発し、次の目的地、宮古市魚市場に向かいました。




 宮古市魚市場の見学を終えた一行は、国道45号線を北上。田老地区に到着しました。2005年に宮古市に編入された旧田老町は、「津波太郎(田老)」の異名を持つほど古くから津波の被害が多かったため、その対策として防潮堤の建設を進めてきました。1934年の工事開始から実に45年もの歳月をかけ、最終的には海面からの高さ10m、総延長約2.5kmにも及び「万里の長城」とも呼ばれた巨大な防潮堤を築きました。しかし、今回の津波は、町民が全幅の信頼を寄せていたこの巨大な堤防をも乗り越え、町を襲いました。実際に自分の目で現場を見て、改めて津波の威力、災害の恐ろしさを認識しました。




 小雪の舞う中、犠牲者の冥福をお祈りするため、防潮堤の上から市街地の方向に向いて参加者全員が1分間の黙とうを捧げました。




道の駅くじ「やませ土風館」

 田老海岸を含む45号線沿いの一帯は、陸中海岸国立公園に指定され、北山崎や鵜ノ巣断崖といった有名な景勝地も多いエリアですが、次の目的地である道の駅くじ「やませ土風館」までは距離にしてまだ70km以上はあるため、先を急ぎます。途中、普代村、野田村などの被災状況を窓越しに眺めつつバスに揺られること約90分。ようやく目的地に到着です。久慈市役所交流促進課の蒲野課長、松浦さん、ふるさと体験学習協会の下舘さんが出迎えてくれました。時間も押していたことから、足早に見学と買い物を済ませるとすぐに移動。多くの人は物産館「土の館」でお土産を物色していたようですが、隣接する観光交流センター「風の館」には毎年9月に開催される秋祭りで使われる豪華な山車が展示されていたり、地元の観光情報が盛りだくさん。もう少し時間があればゆっくり楽しめたのに。




新山根温泉「べっぴんの湯」

 市役所の担当者もお勧めの新山根温泉「べっぴんの湯」は市街地から離れた山あいに佇む静かな温泉。この温泉の最大の特徴は、pH値10.8という東北一の強アルカリの湯。ラドンの含有量も多く、「湯につかった瞬間からつるつるすべすべ感を強く感じることができます」(HPより抜粋)との謳い文句に女性陣の期待も高かったのですが・・・。前日にポンプが故障するというトラブルが発生したため、当日はただの沸かし湯となってしまいました。うーん、とっても残念。またの機会をお楽しみに。




「そばかっけ」づくり

 汗を流してさっぱりしたら今宵の宿へ。今回お世話になるのは「まめぶの家」と「しらかば」の2軒の民宿。山形総合支所の駐車場で荷物を積み替え、それぞれの車に分乗して宿に向かいます。
 宿に着いたらちょっと一服。その後、ゆっくり夕食を・・・と思いきや、しらかば組は、いきなりの体験?!。今晩いただく夕食を一緒に作ろうとの趣向です。御年82歳になるというおばあちゃんに教わりながら「そばかっけ」づくりを体験。「かっけ」とは欠けら、端っこのことで、そばを薄く伸ばし小さく切ったものをお湯で煮て、にんにくのたっぷり入った味噌につけていただきます。以前青森県七戸町で食べたことがあり、てっきり青森県南部の郷土料理だとばかり思っていましたが、岩手県でも食べるんですね。
 他のメンバーはきりたんぽ作りに挑戦。つぶしたご飯を杉の棒に巻きつけます。このほか豆腐田楽にメインはジンギスカン。しらかばさんでは、民宿をはじめる前からジンギスカン料理のお店もやっており、道路を挟んだ向かい側で今も営業中です。ご主人は狩猟免許も持っているとのことで、今回は特別にクマの肉をご馳走になりました。はじめての経験でしたが、臭みもなく脂身が甘くておいしかったです。お酒好きのご主人との楽しいおしゃべりに花が咲き、楽しい宴の夜が更けていきました。




翌日は2つの体験を満喫しました。まずはスノーシュートレッキング。

 指導していただくのは久慈市ふるさと体験学習協会の下舘一樹さん、下舘俊哉さん、芦久保真人さん。3人はまちむら交流きこう認定のグリーン・ツーリズムインストラクターでもあります。




スノーシュー(西洋かんじき)に履き替え、いざ出発。

 インストラクターの後について一歩一歩慎重に進みます。スキーと比べて手軽に雪上歩行を楽しむことができることから、近年人気となっているスノーシュートレッキング。小雪混じりのあいにくの天気でしたが、時折青空ものぞく中、
インストラクターの皆さんの話術や演出も楽しく、都会にはない自然を満喫することができました。




2つめの体験はまめぶ料理づくり。

 まめぶとは、久慈市山形町に伝わる郷土料理で、小麦で作った団子の中にクルミと黒砂糖を入れたもの。豆粒大の大きさにつくることからこう呼ばれていますが、まめまめしく、健康で達者に暮らせるようにとの願いが込められているとも言われています。このまめぶを、ゴボウやニンジンなどの野菜や油揚げ、焼き豆腐などと一緒に昆布と煮干しのだし汁で煮込んだ「まめぶ汁」は、地元では、お祭りなどの行事やお正月、結婚式・法事などに欠かせない料理となっています。久慈市を代表する伝統食として、昨年はB-1グランプリにも出展しました。
 まめぶの母ともいうべき谷地ユワノさんとお嫁さんに教わりながら、みんなでまめぶを作ります。まずは、小麦粉にお湯をかけながらこねていきます。十分にこねたら、親指大くらいの大きさにちぎってクルミと黒砂糖を入れていきますが、これがなかなか難しく、クルミが大きすぎると皮を破ってはみ出すことも。生地が乾燥してくるとうまくくっつかず、ひび割れ状態になるため
時間との勝負です。谷地さん親子はいとも簡単に作っていきますが、不器用な自分は悪戦苦闘。通常の大きさのものに加え、今回は各自がオリジナルの巨大なまめぶ?も作りました。一口噛めば、黒砂糖の甘みがほんのり広がり、もちもちした食感もくせになりそうな美味しさで、みなさん何度もおかわりを頼んでいました。



農林漁家民宿おかあさん100選とは?

農林漁家民宿とは、農家民宿、林家民宿、漁家民宿の総称です。


農業・林業・漁業を営みながら、民宿にお客様をお泊めして、交流活動や地域活性化に貢献しています。
農林漁家民宿では、お客様に自家製や地元の食材を主体としたお食事をお出しし、わが家の一室や離れの部屋にお泊り頂き、農林漁業や農山漁村の暮らしを体験していただけます。
「農林漁家民宿おかあさん100選」とは、そのなかでもとくに質の高い宿泊・食事・体験等を提供し、自身の民宿経営に成功し、地域活性化に寄与している“農林漁家民宿おかあさん”100人を選定する、農林水産省と国土交通省の認定事業です。
 認定者のご紹介は、「農林漁家民宿おかあさん100選」のホームページからご覧いただけます。
 ぜひ一度、おかあさん100選の宿にお泊りにいらしてください。

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