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委員の紹介 政所 利子


政所利子(まんどころとしこ)


専門分野:地域ブランド開発、景観デザイン、コミュニティ・シルバービジネス
東京都北区生まれ。


○PR誌「メイト」編集長、プロダクトデザイナー(クリスチャンディオールコスチュームデザイナー等)等を経て、1988年(株)玄を設立してプロフェッショナル=玄人の集団を目指して活躍中。東京浅草「六区街の再生」等首都圏内まちづくり、総合計画・環境設計・計画及び設計業務をはじめ全国市町村の各種地域産業振興、商工業活性化策、事業経営戦略、地域ブランド等の研究・調査を主要業務とする。地域産業活性化策、事業経営戦略、地域産品を生かしたマーケティング方策などの提案を行っている。具体的に携わった製品として、山形県のカッロツェリアプロジェクト、北海道、秋田県、岩手県、福井県、岡山県等の伝統工芸品の商品開発及び青森県、栃木県、千葉県、三重県、佐賀県等各県の地域ブランドづくりと農産品の商品開発ならびにセールスプロモーション等でヒット商品を数々誕生させている。その他に日本酒や伝統工芸品の海外販売展開の総合プロデューサーを歴任。




○1996年(財)北区勤労者サービスセンター理事に就任
 1998年 国土庁地方振興アドバイザー他
      経済産業省産業構造審議会委員
      東京都台東区に産業博物館開館
     “千年芸工館”と名した日本伝統工芸復興の運動を展開している。
 1999年 ふるさとづくり賞(総理大臣賞他)中央審査委員他
 2000年 21世紀の「人と建設技術賞」審査委員、
      行政参加型まちづくり選考委員(国土交通省)
      東京都21世紀商店街づくり戦略委員会委員
 2002年 国土交通省離島振興法改正検討委員会委員
      立教大学大学院観光学部非常勤講師
 2005年 東北文化学園大学客員教授
 2007年 総務省地方制度調査会委員

○中心市街地活性化セミナー講師(中小企業総合事業団)
 [TOKYO起業塾講師]、マーケティング塾セミナー師範((財)東京都中小企業振興公杜)

○市町村アカデミー他起業塾等講師歴任及び、起業家育成等各種ビジネスセミナーを主宰運営。
 全国各地域における地域振興、特産品開発、マーケティング等の指導実績多数。



 日本社会の成熟化と共に、企業活動やその存在基盤自体にも、NPOが大きな影響を与え始めている。高齢化が進む高知県の病院経営等で事業が進行中のPFI(民間資本を活用した社会資本整備)や民営化手法をはじめ、多様なパートナーシップによるプロジェクトがスタートし、企業の一部では抜本的な経営改革の取り組みも見え始め、NPO、自治体、企業の連携が着実に産業界に浸透してきている。さらに肥大化・硬直化する公益企業活動とサービス分野への民間進出の動きやスリム化、リストラを主旨とする自治体からの民間への呼びかけ等の中間領域に、時に監視役・行司役としてのNPOの働きも期待されている。
 前述の高知県の医療分野の例をはじめ、これまで官の「聖域」であった水道事業等にも民間委託が部分解禁され、公共交通等への民間参入も官民サービス競争を促しており、NPOの活動のさらなる広がりを期待する向きも大きい。こうした経済社会環境の大きなうねりの中で、現況の課題としては、相互理解・情報の不足やNPO側のマネージメント能力の不足、領域の不明確さ等の課題があげられる。特に官民の役割とリスク分担の明確化等は、運営面で浮きぼりになってきている問題点でもある。
 各地の動きの例を見てみれば、『起業家はNPOが育てる』ベンチャー支援活動を行うNPOに、日本エンジェルズ・フォーラム(NAF)、杉並ベンチャーネットワーク(SVN)、ETIC等がある。各種の交流会が次々と姿を消す中、NAF(東京・港区)の井浦代表は「昔とった杵柄を生かせば、ベンチャー支援できる人は多いはず」と語る。杉並区は起業家養成講座を開き、講座の企画・運営はSVN(東京・杉並区)が担当している。活動開始時はベンチャー企業の事業計画発表会を柱に据え、有望な地元企業を投資ファンド(基金)に紹介し、ベンチャーへの投資を促す構想も現在進めている。
 ETIC(東京・渋谷区)は、就業体験(インターンシップ)を希望する学生をベンチャー企業に斡旋、「利益の追求より社会への貢献をめざすベンチャーを育てたい」とする趣旨に賛同したインターンシップ経験者がミニETICをつくる動きの広がりへと発展している。
 NPOは過度に利潤を追求せず中立的立場を保って、いわば ”接着剤“として地域の活性化や雇用創出のきっかけ作りにも貢献可能である。米国ではNPO等の経済規模が国内総生産(GDP)の約一割を占め、行政、企業に次ぐ部門に位置する。日本は医療法人等を含めてもGDP比で三%程度の規模とみられている。
 建築技術の伝承と情報公開を行うNPO建築技術支援協会は、業界の動きとして「建築技術のマニュアル化」が進行したことによる「技術のブラックボックス化」を回避、改善するため、熟練建築技術者たちによる「建築技術支援協会」を結成した。中堅ゼネコン・工務店向けの社員教育を始め、建築技術の伝承、現場での技術指導等、マニュアルにない ”技“ を伝授する工夫と努力が続けられている。まちづくりは今後、行政主導の管理型開発から、全てのパブリックの合意を前提に参画する情報公開型開発へと移行することは自明である。NPOが行う建築技術伝承は、その意味で新しい社会づくりの基盤形成とコミュニティー再生への可能性も内在させている。
 次世代には、新しいモノづくりの課題がさまざまに台頭する。次世代医療、次世代エネルギー、次世代環境技術、バイオプロセスといった製造業の技術分野は、国策としても取り組まざるを得ないミッション「社会使命ある技術開発」である。こうした分野でも、過去語られてきた産官学協同という支援システムだけでは不可能である。それを可能にするのは、「ミッション・プロジェクト」を民間に管理させながら行政が戦略的重点投資を行うことや、多様な仕組みと連携の中で新生・創出することである。技術競争力を維持していくための人材発掘・育成、さまざまなセクターが日本のミッションの核に参画する場づくりが求められる。
 営利・非営利という指標においては、NPOと企業は対極にあるものの、より効果的で社会性の高い行動を行うことは、企業の存在意義とサステナブルな発展を考える上で、産業界とNPOの連携は公正な社会づくりの鍵を握っているといえ、NPOと企業のパートナーシップを組む意義が今後成熟社会においてますます台頭すると考えられる。