No.21 「道の駅大和路へぐり・くまがしステーション」(奈良県生駒郡平群町)

2010.11.29

年間販売額は奈良県内ではトップクラス、地元産農産物にこだわる直売所

[地域:近畿]

地元産農産物にこだわる直売所

店舗外観 店舗外観

奈良盆地の北西部に位置する平群町は、メロンやイチゴ、デラウェア、花卉の栽培が県内でも特に盛んな地域。なかでも小菊とバラは全国でも有数の産地として広く知られている。当直売所は、道の駅が開設された平成11年8月当時から設置され、地元産農産物に限った販売が一貫して続けられている。
 年間販売額は開設以来上昇の一途をたどり、今年は経済情勢の影響もあって前年をわずかに下回っているが、年間2億6千万円という数字は奈良県内ではトップクラスを維持している。
 販売割合は野菜が45%、果実30%、花卉20%、加工品が5%。果実は冬から春先のイチゴを経て初夏のメロン、夏から秋にかけてのデラウェア、巨峰とリレーする。また、花卉の販売期間も長く、地域を代表する数々の農産物に対する消費者の人気はかなり高い。



目指すのは生産者組織による自主的な運営


出品者により「生産者の会」が組織され、毎月開催される代表者10名による役員会において運営や販売の方向性等が話し合われている。
 道の駅の管理者から運営の委託を受けているため、自分たちの店であるという会員の意識を高めることに力を入れている。会員が参加する勉強会を月1度の頻度で開催し、内容も新しい品目の栽培など個々の会員の販売増につながるようなテーマを選んでいる。
 会員が支払う手数料は15%。品質管理や価格設定、POPの表示等はすべて会員に任されていることから、自己責任が徹底されている直売所である。



特産を活かした新商品開発の挑戦


 加工品で目を引くのは、「おかず味噌」。併設された加工室を利用して女性組織が製造する葉ごぼう味噌、うめ味噌、ゴーヤ味噌、しょうが味噌など10種類ほどが並ぶ。1パック150円という手ごろな価格も受けて消費者に人気だ。また、地元産の金時サツマイモで製造された焼酎の「里の恵」や地元梅を使った「幸福の梅酒」、最近売り出したばかりの「いのししカレー」に加え、季節に応じて各種のジャムやかき餅等の加工品も多く並ぶ。さらに、店では「サツマイモカレー」の開発にも挑戦する予定である。



イベント開催で地元の集客も掘り起こす


道の駅とは通りがかりの観光客や休憩客が訪れるものだが、経営を安定させる上では日常的な買い物の場として位置付ける固定客も獲得する必要がある。そのため、当施設では様々なイベントが開催されている。 道の駅間のつながりを活用し、県内外の道の駅の特産品販売を定期的に行うとともに、イチゴやメロンなどの収穫時期に合わせた感謝セールを実施。夏休み期間中は、毎週土日に地元の和太鼓演奏やフリーマーケットなどのイベントを開催し、集客を図っている。



オープン11年。直売所開設の初心に戻る


 オープンから11年が経過したことから、会員にはもう一度当時に立ち戻って適正販売を心がけることを呼びかけている。また、スーパーとは違った店づくりを進めるため、従業員がこれまで以上に気軽にお客様に声をかけるなどして、ひとりでも多くのファンを増やすことに務めている。さらに、農産物をただ販売する場だけでなく、地域の歴史も含めた町の情報発信の拠点としての役割も追及していきたい。