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奈良県川上村 宿HANARE

2016.10.07

吉野杉の香る山村に開業した農家民宿

奈良県川上村に宿HANAREがオープン
[地域:近畿]

近鉄大和上市駅から吉野川沿いを上る

 近鉄京都駅から橿原神宮前行きに乗車。電車は平野部の奈良盆地を通過、橿原神宮前で近鉄吉野線に乗り換え、終点二つ手前の大和上市駅で下車。吉野川沿いを和歌山へと続く伊勢街道、東熊野街道を山の奥へ奥へと上っていきます。車窓からかすかに感じるすがすがしい匂い、吉野杉のふるさとに漂う香りが秋雨の鬱陶しさを消し去ってくれました。駅から車で走ること約20分で奈良県川上村に入ります。村役場のある中心部からさらに上流に約20分、白河渡バス停から吉野川を渡り支流の中奥川沿いにある中奥集落に到着しました。


近鉄大和上市駅
中奥川


村の暮らしを知る拠点として

 訪問先は2016年7月1日に開業したばかりの宿HANARE。一日一組限定、古民家を一棟丸ごと貸し切り、そこで川上村の自然に触れながら“アクティブに”山村生活を体験してもらうというコンセプトで作られた宿は、まちむら交流きこう登録の農林漁業体験民宿です。元地域おこし協力隊の横堀美穂、寛人夫妻が村に着任した4年前、構想段階から設計士、大工さん達と関わり検討を重ねながら、村内外の多くの関係者の協力を得て完成させました。
 Wi-Fi、給湯完備で使いやすい浴室、機能的なキッチン等快適に山村での宿泊体験できるよう設計された各設備が自慢です。


ユニークなピザ窯と薪積みの模様がまるでアート作品
古民家をリフォームした各部屋
Wi-Fi完備なので通信の不安も解消
ゆったりとした湯船と窓越しの景色が自慢のお風呂


共同調理で作って楽しむ夕飯


 横堀夫妻のセンスが光るキッチンはとても機能的。すっきり清潔な調理テーブルとシンク、調理台の下は引き出しになっており必要な調理器具などがすぐに取り出せます。夕食は野菜の皮をむいたり、かまどの火をおこしたりとお二人と一緒に共同調理で準備しました。
 ご飯は今時珍しいかまど炊きが体験できます。種火を細い木に焚き付けながら、火吹き竹で空気を送り込み徐々に大きな薪をくべて火力を大きくしていきます。ただ黙々と鉄蓋の奥で燃え上がる炎を見つめながらのひととき、なぜか心が落ち着くのが不思議です。
 この日のメニューは野菜と鶏肉のダッチオーブン煮込みにかまど炊きのかやくご飯、野菜の炒め物にお味噌汁付き、やはりかまど炊きのご飯の味は別格でした。


樽丸作りを生業に

 ご主人の寛人さんの職場は宿のすぐ下にある木工所。国の重要無形文化財に指定された樽丸作りを受け継ぐべく現在修行中です。樽丸とは酒樽などの樽をつくる木の材料のことで、良質な吉野杉から作られた樽丸は古くから灘の酒樽の材料として重宝され、ここ川上村では村の重要な産業として樽丸製作の技術が連綿と継承されてきました。寛人さんに樽丸作りの工程を説明いただきました。
 材料となる原木は中身が外に漏れないよう節が無くまっすぐなものを選び、局面を削り出す特殊なかんなで丁寧に形を整えていきます。端をきれいに切り揃え、一ヶ月程度乾燥させた完成品が積み上げられた光景は芸術作品のようでした。


漏れが無いよう節が無く、まっすぐな丸太を使います。
画像をクリックすると動画が再生します。
削った樽丸は乾燥室で乾燥させます。
きれいに積み上げられ樽丸


村に新しい風を吹き込む

横堀寛人さん

 地域おこし協力隊の任期完了後、引き続き村での暮らしをスタートさせた横堀夫妻。宿泊施設としてだけではなく、自分たちが暮らせる、イベントなどが開ける、そして人が集まる拠点が欲しい。村内でそんな場所を探していた時、後にこの宿となる古民家に巡り会いました。
 川上村で充実した生活を送っているご夫妻。美穂さんは子育て、宿の仕事、そして村の定住支援の担当者として移住者のサポートや移住希望で村を訪れる人と村とをつなぐ役割も担っています。寛人さんは樽丸作りの傍ら宿の業務もこなし、また地域の祭りや消防団などへの参加を通じて村の生活にも溶け込んでいます。
 お客さんという意識を捨てて、村人のようになって主体的に村の暮らしを体験してもらいたい。提供する側、与えられる側という関係ではないほうが双方楽しいのではないでしょうか。この方が村をより深く知ってもらえると思います。家族、友人グループで泊まってもらえれば新しい交流も生まれて嬉しいと美穂さん。物を買ってもらうということではなく、来た人には『体験』という目に見えないものに価値を見出してもらえたらと寛人さん。 若い二人の考え、行動が村に爽やかな新しい風を吹き込んでいくそんな印象を受けました。


マップ