アフリカ諸国等の開発途上国における貧困・食料問題の解決のためには、農民の大部分が小農であることから、農民組織の育成と強化を通じて農業・農村の発展を図ることが重要です。
このため、農民組織の発展が初期段階にあるアフリカ諸国等から事業実施対象国として、タンザニア、ケニア、ザンビア、アフガニスタンの4カ国を選定し、我が国の農民組織が有するノウハウを移転することにより、対象国における農民組織化の促進や組織運営能力、組織活動の企画・運営能力の向上を図るための研修を実施しました。
貧困と食料問題の解決に向けて
農民が自律発展できる組織をめざして
我が国の農民組織は、組織率の高さ、事業量の大きさ、事業の種類の多様さ、全国組織と都道府県組織により構成される全国レベルの支援ネットワーク等、世界に例をみない高度な体制を構築してきました。しかし、途上国と我が国では農村をとりまく経済的社会的な環境が大きく異なることから、我が国の完成された農民組織のあり方をそのまま移転することは簡単ではありません。
一方、アフリカの農村では独自の農民組織化の動きが芽ばえつつあります。それらの組織は、10名から20名程度の人数で構成され、相互金融によるマイクロクレジット(注)と学習活動を特徴としており、我が国にかつて存在し、現在の農民組織の基礎となった「報徳講」や「無尽講」といった組織や活動に類似しています。
このため、本研修においては、第三国研修を対象国のうちザンビアを開催地として開催し、アフリカ3カ国における自律発展型の農民組織の経験を研修参加者全員と共有しました。これにより、「海外からの援助がなくてもできる発展モデル」と「自国の住民が持つ潜在的パワー」について“気づき”を得るとともに、自律発展型モデルの重要性を実感することができたと思われます。
また、日本における研修では、相互金融と学習活動をベースにした農業・農民組織を、より組織的(システマチック)に、全国規模で発展させてきた日本の経験を学び、対象国の経験と比較することにより、農業・農民組織の設立、企画、運営の能力の向上に向けた研修を実施しました。
(注)ケニア、タンザニア、ザンビアにおけるマイクロクレジットについて
本研修の対象として選定したケニア、タンザニア、ザンビアでは、メリーゴーラウンドやテーブルバンキングなど、相互金融によるマイクロクレジットの取組が急速に拡大しています。
国や地域によって具体的な姿は異なりますが、概ね次のような特徴をもっています。
いずれの取組も、コミュニティなどの少人数のグループが運営し、構成員は定期的に(たとえば毎週1回)資金を拠出します。メリーゴーラウンドの場合は構成員が順番に集まった資金を受け取ります。我が国の無尽や頼母子の活動に類似しています。テーブルバンキングの場合は、集まった資金を構成員に貸し付けます。構成員は受け取った資金で子どもの就学や小規模ビジネスの起業等に利用しています。
なお、タンザニアではVICOBA(Village Community Banks)という名称がよく用いられます。





